秋元城
秋元城について
里見氏配下の秋元氏によって築かれた。永禄7年(1564)の第二次国府台合戦で里見氏が大敗した後、
北条氏に攻め落とされた。その後、北条氏の城として機能したが、天正18年(1590)年の小田原の役後に廃城となった。
現在も里見氏時代のものと思われる遺構が良く残っている。
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【城址入口】 |
城址の入口。根古屋とは5~6m程の高低差があり、その岩肌にはこの地域特有のヤグラっぽい横穴が見られる。
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【根古屋】 |
東側山麓に位置する根古屋。現在は畑になっているが、東西二段のかなり広い曲輪で、北側には削り残しの土塁が見られる。
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【田中沢】 |
寝小屋北側の田中沢。川によって削られたものか、人工的なものかは定かではないが、川岸は断崖になっており、
外堀の役割をしていたものと見られる。
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【大手道】 |
根古屋からの登城路。途中に虎口跡と見られる切り通しが数カ所に見られる。
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【堀跡】 |
大手道の横は藪で良く見えないものの、所々に垂直に削られた箇所が見られる。
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【千駄蔵】 |
大手道沿いにある腰曲輪は千駄蔵と呼ばれている。当時は蔵があったのだろう。
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【掘切】 |
登城路中腹の巨大掘切。尾根の岩盤を垂直に断ち切っている見事な掘切。虎口も兼ねていたと思われる。
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【曲輪跡】 |
上記の掘切の上の曲輪。尾根上をしっかり削平してある。当時は櫓のようなものが建てられていたと思われる。
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【千畳虎口】 |
掘切を抜けて少し上ると見えてくる千畳の虎口。虎口横の土塁も明瞭に残っている。
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【千畳】 |
千畳と言うだけあり、山上の曲輪としてはかなり広い。この主郭部エリアでも一番広い曲輪で、城の中心部だったと思われる。
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【千畳から見る西向三段】 |
千畳の南側、一段高くなっている場所が西向三段。
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【西向三段 二段目~三段目】 |
西向三段は、東側の一番高い曲輪から西側に向かって御殿と呼ばれる曲輪まで数段の曲輪が連続している。
一段ずつしっかりと削平さた跡が残っている。実際には三段以上ありそう。
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【西向三段 一段目】 |
西向三段の東側最頂部の一段目。曲輪の東側には高さ2m程の削り残しの土塁があり、その反対側は急な崖になっている。
土塁の一部に虎口のような切り欠きがあるが、位置的にも不自然で、外側も崖なので、崩れただけかもしれない。
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【御殿】 |
一番西下の『御殿』と呼ばれる部分。千畳程ではないが、こちらもかなりの広さがある。
ここから西側に八幡曲輪が続いている。ちなみに、遠くに見えるのが鹿野山。
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【西向三段~八幡曲輪 土橋】 |
西向三段から八幡曲輪へと続く土橋。両側は堀となっており形の良い土橋が残っている。地元の方々が下草を
刈ってくれていることもあり、冬に行けば見事な土橋が見れるが、草の多い時期に行くと写真右のように
全然見え方が違ったりする。
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【西向三段~八幡曲輪 土橋】 |
八幡曲輪に向かう尾根上に削り残された土塁。幅も広く重厚な土塁で、土橋とみるべきなのかよく分からないが、
実際にはこの上を歩いて八幡曲輪に向かった。
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【八幡曲輪】 |
八幡曲輪。主郭部のから尾根伝いとなっている西側を守る曲輪で、西側には土塁が築かれている。
また、八幡曲輪の名前の由来となっている八幡社の祠も土塁横に残っている。
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【八幡曲輪井戸】 |
八幡曲輪南側下に掘られた井戸跡。井戸と言うより溜池っぽくも見える。
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【八幡曲輪西側掘切】 |
八幡曲輪西側の尾根を断ちきる大掘切。写真では伝わりにくいが、高低差が10m近くありすごい迫力。
この掘切辺りからが、この城の最大の見所満載エリアと個人的には思っている。
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【畝堀 東側】 |
八幡曲輪から西側に続く尾根沿いの岩盤を垂直に掘り抜いた見事な空堀。一定間隔で掘り残して畝堀にしている。
一部崩れかけてしまっているものの、畝は高さ2m程あり当時の平均身長や武具を身につけていたことを考えると、
一度落ちたらまず上れなかっただろう。しかし、このような畝堀は他では見た事が無い。一般的に畝堀と言うと
北条の遺構のような気がするし、実際に一時期北条氏の城になっているが、この岩盤掘削は里見の特徴的なもの。
どう解釈すれば良いのだろうか。
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【箱堀】 |
上記の畝堀は幅7~8mの幅を保って断崖をくり貫いた堀が西側に続いてるが、途中畝は見られない。
この辺りだけ畝がない理由も特に見当たらないので、崩れてしまったのかもしれない。
それにしても、この辺りの垂直断崖は見事。やはり里見氏の遺構である事は間違いなさそうなんだけどな。
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【畝堀 西側】 |
堀の西側に行くとまた畝が見られ、畝の間に水が溜まって水堀になっている。この辺りの畝は畝堀と言うよりは、
溜池の意味合いが強いのだろうか。
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【畝】 |
上部から見た畝。幅50cm~60cm程で綺麗に堀り残されている。見事な技術。保存状態も良い。
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【竪堀】 |
この堀周辺には3本程の竪堀が見られる。しかし、特に攻められそうな方面でもないのに、
何故この辺りだけやたらと守りが厳重なのかよく分からない。
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【竪堀の障壁】 |
竪堀の上部も岩盤をくり貫いた垂直断崖になっている。竪堀を上ってきたとしても、この障壁で阻まれるだろう。
この辺りは一面垂直断崖の宝庫。
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