大洲城 天守と櫓群



【天守】
 全国的にも珍しい四層の天守。各層の屋根に配された千鳥破風や唐破風の数も多い。 江戸時代の古絵図や天守雛形、明治時代の古写真などを元に、約10年かけて平成16年に 往時の姿で正確に復元された。現存する高欄櫓と台所櫓との渡櫓も復元されている。


【天守1階】
 1階の広さは11.8m×13.8mで、一般的には3層の天守の規模。

【天守心柱】
 大洲城の心柱は建物の中心ではなく、半間(約1m)北寄りにある他に例を見ない 構造になっている。この心柱は、加藤家の菩提寺である如法てらから調達された。

【天守1階〜2階 吹き抜け】
 天守の内部構造を知る手がかりとなった天守雛形に梁が無い事から、この部分には床板が 張られていない事が明らかになった。

【天守2階】
 天守二階は吹き抜け、火灯窓、千鳥破風などが見れる。

【天守2階 火灯窓】
 天守2階の火灯窓は、中国から伝えられた建築様式の一つで、近世になって取り入れられたもの。

【天守3階】
 3階の床下で心柱が分かれているらしい。

【天守4階】
 天守4階には、、市立博物館に残る寛文5年(1665)製の鯱を参考にして制作された 鯱が展示されている


【天守からの眺め】
 天守からの眺め。北側は肱川、南側は城下を一望出来る。旧加藤家住宅などが見える。


【台所櫓】
 大洲城の中で最大級の櫓で、内部には台所を思わせる土間があり、格子窓が開けられていた。 高欄櫓同様、安政4年(1857)の地震で大破し、安政6年(1859)に再建され、昭和45年(1970)に 解体修理が行われている。現在は重要文化財に指定されている。

【台所櫓内部】
 現在、台所櫓が連立天守の入口になっている。内部には、復元天守を1/10で忠実に再現した 木組雛形などが展示されている。


【高欄櫓】
 大洲城の中で唯一高欄のある櫓で、ここから城下が一望できる。また、一階の南西隅には 石落としが設けられている。台所櫓同様、安政4年(1857)の地震で大破し、万延元年(1860)に 再建され、昭和45年(1970)に解体修理が行われている。現在は重要文化財に指定されている。

【天守〜高欄櫓】
 天守から高欄櫓の渡り櫓内には、天守の屋根と外壁の断面の実物大模型が 展示してある。土壁は漆喰仕上げで、屋根は本瓦葺き。それらの構造を分かり やすく見ることが出来る。