上山城

【上山城】
天文４年(1535)に最上家の武将、武衛義忠が伊達氏から髙楯城を奪還した後に築いたのが始まり。羽州街道の要衝の地に位置し、慶長５年(1600)の『北の関ヶ原』の際には直江兼続率いる上杉軍に攻められたが、守り通している。関ヶ原以降は里見氏、坂氏に次いで最上義直などが城主になったが、元和８年(1622)最上氏の改易とともに没収された。その後、遠江横須賀の松平重忠、蒲生氏、土岐氏と城主は代わり、土岐氏が転封される際に幕命により徹底的に改変された。その後、金森頼時、元禄になり松平信通が入り、以後明治まで松平氏が１０代１７０年間続いた。明治４年(1871)松平信安の頃に廃藩置県で城郭は破壊されて廃城となった。現在、本丸には月岡神社が祀られ、その周囲は月岡公園となり、二の丸跡には三層の模擬天守が建てられている。

【上山城】

　天文４年(1535)に最上家の武将、武衛義忠が伊達氏から髙楯城を奪還した後に築いたのが始まり。羽州街道の要衝の地に位置し、慶長５年(1600)の『北の関ヶ原』の際には直江兼続率いる上杉軍に攻められたが、守り通している。関ヶ原以降は里見氏、坂氏に次いで最上義直などが城主になったが、元和８年(1622)最上氏の改易とともに没収された。その後、遠江横須賀の松平重忠、蒲生氏、土岐氏と城主は代わり、土岐氏が転封される際に幕命により徹底的に改変された。その後、金森頼時、元禄になり松平信通が入り、以後明治まで松平氏が１０代１７０年間続いた。明治４年(1871)松平信安の頃に廃藩置県で城郭は破壊されて廃城となった。現在、本丸には月岡神社が祀られ、その周囲は月岡公園となり、二の丸跡には三層の模擬天守が建てられている。

【本丸跡】

最高所に位置する本丸跡。現在は月岡神社の敷地になっている。一部に土塁が残っており、隅には櫓台のような土盛も見られるが、当時の遺構かは定かでない。

【月岡神社】

本丸の月岡神社。月岡神社は徳川家康ともつながりのある藤井松平利長、信一を祀った神社。松平信一は桶狭間の戦いを始め、主要な合戦に数多く参陣し武功をあげていた。

【本丸東側土塁と空堀】

本丸の東側には高さ１ｍ程の土塁と、その外側に空堀が残っている。

【鐘楼】

本丸東側の土塁上に建つ鐘楼。古図によると、この辺りに天守代わりとなる御三階櫓が建てられていたと思われる。

【東側虎口】

本丸東側の土塁の中央部付近に残る虎口跡。古図にもこの辺りに二の丸との虎口が見られるので、当時の遺構のようにも思えるが、定かではない。

【本丸西側土塁と水堀】

本丸の西側は、東側に比べると土塁の残存状態は良くないが、土塁の外側、現在の小学校の敷地との間には一部水堀が残っている。当時は周囲全体が水堀で囲まれていたらしいが、現在残る水堀はこの部分だけ。

【土岐庭園】
本丸の北東には、江戸の土岐氏の上屋敷が改造される際に土岐氏１９代当主から寄贈された石灯籠六基と七層石塔一基が置かれている。土岐氏は寛永５年(1628)から元禄５年(1692)に転封になるまでの間の約６０年間、２代にわたり上山城の城主となった。その間、本丸内には庭園も造られていたが、転封後幕命によって破却された。

【土岐庭園】

　本丸の北東には、江戸の土岐氏の上屋敷が改造される際に土岐氏１９代当主から寄贈された石灯籠六基と七層石塔一基が置かれている。土岐氏は寛永５年(1628)から元禄５年(1692)に転封になるまでの間の約６０年間、２代にわたり上山城の城主となった。その間、本丸内には庭園も造られていたが、転封後幕命によって破却された。

【沢庵桜】
沢庵禅師を忍んで近年植えられた桜。沢庵禅師は江戸幕府の厳しい宗教統制に強く抗議して、寛永６年(1629)に上山に配流されてきたが、当時の藩主土岐頼行は、春雨庵を新築するなどして、沢庵禅師を手厚く待遇した。当時も本丸北の堀端の上に沢庵桜と呼ばれる桜の古木があった。

【二の丸跡】

本丸の周囲を取り巻くように配された二の丸。現在、本丸の東側の部分には模擬天守が建てられ、その北側の一段下がった部分には茶屋や足湯があるが、この辺りはだいぶ改変されてしまっている感じがする。

【復元天守】


二の丸に建てられた３層の模擬天守。勿論、この場所には天守は無かった。この模擬天守を建てる為に、遺構は結構壊されているっぽい。

【堀切】

二の丸の北側の堀切。現在の月岡公園との間を分断しており、堀底は道路になっている。

【月岡公園】

二の丸の堀切の北側は現在月岡公園となっている。この辺りも二の丸の一部だったと思われる。

【土岐氏七層塔】
江戸の土岐氏の上屋敷が改造される際に土岐氏１９代当主から寄贈された七層石塔。この時同時に寄贈された石灯籠六基は本丸に置かれているが、七層石塔のみは二の丸跡の天守下に置かれている。

【石垣】
現在道路になっている堀切を、本丸沿いに西に進んだところに僅かに残る石垣。現在残っている石垣はここのみと思われる。

【大手道】
二の丸の東側、現在三島坂と呼ばれる坂はコの字状に折れ曲がり、当時の面影を残している。

【武家屋敷】

城域の北西、中之坂周辺には、藩の要職にあった家臣が多く居住していた場所で、現在も家屋が現存している。これらの家屋は１７世紀中頃のものと思われ、茅葺屋根の鍵形の曲がり屋で、周囲には土塀や土塁が築かれていた。